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活動レポート

できた!ラオスに希望の寮

できた!ラオスに希望の寮
実ったクラウドファンディング~遠距離解消・雨季でも安心
JAFSが2022年に呼びかけたクラウドファンディングに集まった寄金で、ラオスの山村の中学校に建設していた新しい学生寮が、2023年10月に完成しました。これまで遠い道のりを雨や風の日も通わなければならなかった生徒たちは「これで欠席や遅刻の心配をせずに、勉強に打ち込めます」と喜び、日本からの支援に感謝しています。24年2月9日に全校生徒が晴れ着姿で学生寮の前に集い、完成式典を催して祝いました。

この報告を、会報誌アジアネット157号のトップ記事から抜粋してお伝えします。
中学生らの学びを支える
ラオスの首都ビエンチャンから鉄道で4時間、さらに山道を車で6時間に及ぶ移動でたどり着いた先は、同国最北部のポンサリー県ブンヌア郡。中国・ベトナムと国境を接した県で、20を超す少数民族が暮らしています。学生寮が建設されたナンフェ中学校(前期中等教育にあたる学校:6~9年生の4年制)は、同郡の街からさらに25㎞離れた所にあります。
中学生らの学びを支える
民族衣装と踊りで歓迎
「サバイディー(こんにちは)」
 民族衣装を着飾った生徒たち、そして学校の先生が、拍手をしながら私たちを出迎えてくれました。その様子から、生徒たちがたくさんの準備をしてくれていたことが想像できました。
 生徒の多くは、アカと呼ばれる民族か、プノイと呼ばれる民族です。それぞれの民族衣装で、練習したであろう伝統の踊りを披露してくれました。私と目が合うと、踊りながらにこっとほほ笑み、温かく優しい雰囲気に包まれていました。
 同中学校には現在、周辺の7つの村から100人が通っています。遠くから来ている27人(女子7人、男子20人)が学生寮で共に暮らしています。
 平屋の寮1棟の面積は72㎡で、1棟が2部屋に分かれています。部屋は男女別です。そこに生徒たちは並んで寝ています。マットレスを敷いて布団をかけて寝ている様子が伝わる寮の中、綺麗に畳まれた布団の下に、それぞれの教材が置かれていました。壁にはかばんやハンガーが吊るされ、生活感があふれていました。食事は別の校舎で取っています。
 この地域では、生徒たちの家までが学校から遠く、中には約10㎞も離れている生徒がいます。特に雨季は道路が冠水し、通学が困難になります。ですから、学生寮はとても大きな役割を担っているのです。学生寮ができたことで、子どもたちは安全に学校に行き、授業を受け続けることができるようになりました。
民族衣装と踊りで歓迎
ルール守り生徒が掃除
寮の隣には、水洗式の清潔なトイレも完成しました。生徒たちは、寮やトイレを長く綺麗に使い続けられるように、ルールを守り、自分たちで掃除を定期的にしています。
 学生寮で生活する生徒たちは「寮ができて、お互いの学びを共有するようになった。宿題を助け合ったりできる」と言っていました。新しいトイレや、学校や寮での規則正しい生活が、彼らの学びと成長にしっかり生かされているのを感じます。
 ブラウンミー校長が、次のように話してくれました。
「学生寮が完成して、生徒は学校に時間通り(遅刻せずに)来るようになりました。これが一番大きな変化です。遠方で暮らす家庭ではこれまで、子どもたちを学校へ送るために、交通手段となるバイクを購入しなければなりませんでした。しかし、寮のおかげでその必要がなくなり、家計のお金を節約できるようになりました。学校だけでなく、それぞれの家庭にとっても、この寮はとても大きな存在です。日本のみなさま、温かいご支援をありがとうございました」
 寮の建設は、元々あった学生寮が老朽化して子どもたちが学校生活を送ることが困難になったため、JAFSに要請されました。ラオスでは政府の教育予算が少なく、適切な校舎がない、教室や教員が不足しているなどの、さまざまな課題を抱えています。ナンフェ中学校も、そんな学校の一つです。
 建設にあたっては、周辺の住民に協力をお願いし、生徒や教員も一緒になって建設に携わることを重要視しながら事業を進めました。自分たちで建てた建物は大切に使おう、と自然と思ってもらえるからです。完成後の運営や維持管理は地方行政だけでなく、生徒たちの家庭や周辺の地域住民の協力によって賄われます。
ルール守り生徒が掃除
親の理解を切に願って
ポンサリー県は、ラオスの他の県と比べると貧しい地域です。この学校に通う生徒の親たちの多くは、教育を受けていません。教育の大切さも十分に理解されているとは言えません。学校に行くより出稼ぎで働いた方がいいと思っている家庭が、まだまだ多くあります。早期結婚の慣習があるため、8年生や9年生(13~14歳)になると退学してしまう女子も多くいます。
 このような状況でも、子どもたちが少しでも良い環境の下で教育を受け続けられることを、そして、学ぶ子どもの姿を見た親が教育の大切さを知ってくれることを願って、JAFSと現地提携団体は活動してきました。
 コロナの流行を経て、ようやく完成した学生寮です。生徒や教員、地域の人々によって長く大切に使われていくことを願っています。
 クラウドファンディングにご協力くださった皆さま、温かいご支援をありがとうございました。
親の理解を切に願って
他にもたくさんの活動レポートがあります
会報誌アジアネット157号には、他にもアジアや国内の活動情報が満載。以下のURLからご覧ください。
https://jafs.or.jp/user/media/jafs/page/about/summary/157.pdf

アジアネットのバックナンバーは下記ページにあります。
https://jafs.or.jp/about/summary/asianet.html
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