ネパール、シンドゥパルチョーク郡、インドラワティ村に住むゴマ ブジェルさんは、毎⽇飲み⽔を得るために、家から3キロも離れた⽔場まで歩く⽣活を送っています。
⽔場に到着しても、その周りには飲み⽔を求めてたくさんの⼈が集まっており、⽔を得るためには⾏列に並ばなければならず、⼀⽇2-3回⾏き来するだけで4-5時間取られてしまいます。
この地域に住む⼈たちはみんな、ここから⽔をくみ、飲み⽔や家事のために使っており、時には⽔の取り過ぎや⽔場を占領するなどといったことが原因で喧嘩が⽣じるなどの問題も起きています。
インドワラティ村では、ほとんどの村⼈が農業を⾏っています。しかし、家畜や農作業に使うための⽔もまた、家から遠く離れたところまで取りに⾏かなければなりません。
混む時間帯を避けるためにゴマさんは、朝4時から懐中電灯を持って井戸へ向かいます。
ゴマさんは、農業をするための⼟地を持っているにも関わらず、⽔が不⾜しているために全ての⼟地を活⽤することができていません。このような状況がこの村ではたくさん⾒られます。
⽣活に⽋かせない⽔を⼿に⼊れるのにこんなに苦労するにも関わらず、⽔場には時にネズミやカエル、⾍たちが⾒られ、安全だとは⾔えません。特にモンスーンの季節になると⽔が濁り、不衛⽣な⽔により、たくさんの⼦どもたちやお年寄りが⾚痢などの病気にかかります。
幼い娘がいる彼⼥は、この⽔により娘が病気になることを恐れています。娘のために⼀度⽔を沸騰するようにしていますが、同時に家事もしなればならないため常に沸かした⽔を与えることはできません。
安全でない、病気になるかもしれない、そんな恐怖がありながらも、⽣きるためにはこの飲み⽔を飲み続けるしかないのです。
モンスーンの季節に⼈々が病気になりやすい理由は、⽔質だけではありません。
⽔をくみに⾏くときに、傘を同時に持つことはできないため、村⼈たちは濡れながら⽔をくみに⾏くしかありません。⼀⽇に何度も⾬の中濡れながら⽔をくみに⾏くのです。
ゴマさんは、⾬の降る中娘を連れて⽔をくみに行くことはできないため、⼦どもを家の中に残し、⼀⼈で⽔をくみに行かなければなりません。幼い娘を家に閉じ込めなければならないことがどんなに⾟いことかとゴマさんは話します。
⼀⽇でも早く、安全な飲み⽔が各家庭に届くことを切実に願う彼⼥は、この状況が改善されるならば、どんなことでも協⼒したいと話します。
私たちJAFSは現在、このインドワラティ村にて揚⽔システムを建設し、村に住む⼈々へ安全な⽔を届ける活動を⾏っています。
ゴマさんのような女性を一人でも減らしていくことが地域の発展につながると考えています。より多くの地域に安全な水を届けることができるよう、ご支援をお願いいたします。
蛇口をひねればきれいな水が
いくらでも出てくる。
それが当たり前だと思っていませんか?
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ふろ
約120ℓ
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トイレ
約63ℓ
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炊事
約54ℓ
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洗濯
約45ℓ
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洗顔その他
約18ℓ
今のあなたの生活から水のインフラがなくなった状態を想像できるでしょうか?
「とても生活できない」と思うでしょう。
しかし世界には実際にそうした状況を強いられている人がいるのです。
安全な水を簡単に手に入れられることは、
当たり前ではありません
水を確保するのに時間・労力がかかり1日15リットルに満たない量で暮らさなければならない人たち。汚染された水しか確保できないなど、安全な水を手に入れることが難しい人が世界にはたくさんいます。
※1人が人間らしいくらしをするために1日に最低限必要な水の量が50リットル、命を守るために必要な最低水量が15リットル(人道支援における最低基準)と言われています。
(世界保健機関(WHO)が定めた「一日に最低限必要な水の量」)
安全な水が手に
入らないとどうなる?
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常に感染症など病気の
リスクにさらされる細菌のいる水を飲んだり、手洗い用の水が確保できなかったりすることで、常に病気のリスクにさらされています。水が原因で病気になり働けなくなることも少なくなく、貧困の悪循環の一因になっています。
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水の確保のため
通学できず教育格差を生む近くに水道や井戸がない地域の場合、遠く離れた場所まで歩いて水をくみに行くこともあります。この役割は子どもが担うことも多く、そのために通学できなかったり、学習時間が取れなかったりする子どもがいます。
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女性の就労機会を奪い
地域の経済発展を妨げる水くみの役割は子どもだけではなく女性も多く担っています。そのために働きに出ることができず、貧困から抜け出せない原因になっています。また、地域の経済発展の妨げにもつながってしまいます。
水が手に入らないことで起こるのは、
健康上の問題だけではありません。
教育や仕事などの格差につながり、
人生を左右してしまうのです。
安全な水を届けることが、
すべての源になります
安全な水を家の近くですぐに得られれば、水が原因の病気で命を落とす心配が減ります。
医療費により貧しい家計がますます圧迫されることも減らせます。
遠くまで歩いて水くみをする必要がなくなるので、子どもは学校で勉強を、大人は仕事をする時間が生まれます。
このように生命の源となる安全な飲み水が手に入ることで、その日だけを何とか命をつないで生きる暮らしから、
未来に希望を持ち、手に職をつけ仕事をし、生計を向上させ、生活を変え、
貧困の悪循環から抜け出す力が蓄えられます。
私たちは、アジアを中心に
13か国で合計2,301基の井戸・
パイプラインを設置してきました