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活動レポート

開催報告「ブルーオーシャン作戦④ 日本とアジアをつなぐビーチクリーン」(2023年11月11日)

開催報告「ブルーオーシャン作戦④ 日本とアジアをつなぐビーチクリーン」(2023年11月11日)
海洋プラスチック問題に、アジアで連携して取組み
 世界の海に流出するプラスチックごみ全量の8割がアジアからという「海洋プラスチックごみ問題」に、JAFSのアジアAFSネットワークを生かして取り組むブルーオーシャン作戦。
 3年目となった2023年は「日本とアジアをつなぐビーチクリーン」と題し、11月11日に日本では大阪、東京、福岡など7地域、さらに海外ではフィリピンのソルソゴン州マトノッグと同国アンティーケ州パンダン、インドネシアのアチェ州バンダアチェと、合計3カ国10地域で、海辺などのごみ拾いをしました。
 各地から届いた報告を紹介します。
フィリピン・ソルソゴン州マトノッグ
ルソン島南端のソルソゴン州にあるマトノッグで、住民や近隣の小学校と連携し、ビーチのほか今回は川での活動に初挑戦。これまで手つかずでヘドロまみれの場所だったので、子どもたちはへきえきする様子でしたが、住民たちがきれいにする重要性に気付き始めました。
(AFSソルソゴン ジーナ・ヤップ)
フィリピン・パナイ州パンダン
2カ所のビーチで行い、一方は市長を含む行政・軍関係者や各種団体など約100人が参加。もう一方は、アジアユースサミット(AYS)に参加した高校生が仲間を集めて先生と共に活動しました。途中豪雨に遭いオンライン交流には参加できませんでしたが、たくさんのごみを回収できました。
(AFSパンダン ジェネロサ・コンデス)
インドネシア・アチェ州バンダアチェ
地域の学生・主婦・社会人ら37人が参加し、17袋分・200kgのプラスチックごみを回収。活動の様子が地域の新聞にも取り上げられました。
(AFSアチェ ウィナ・ワハブ)
東京・葛西臨海公園(江戸川区)
冷たい風が吹くにもかかわらず、子どもを含め44人が参加。和気あいあい、かつ真剣に、2時間かけ、砂浜の中からマイクロプラスチックを含むプラごみやガラス・金属片などを、ふるいにかけて回収。人手をかけても回収量はバケツに半分程度。一旦捨てられてしまったものを回収することがいかに大変かを、思い知らされました。
(JAFS関東 川崎 隆二)
大阪・二色の浜公園(貝塚市)
約80人が参加。ペットボトルの減量に取り組む企業の参加も多くありました。前日の雨で、ビーチ隣の河口からごみが流出し漂着したと思われ、今回は昨年よりごみが多くありました。砂に埋もれる小さなプラスチック片もコツコツと拾い集めました。全部でごみ袋6つ分。ペットボトルや包装プラ、空缶のほか、枕やバケツもありました。
(JAFSスタッフ 川本 裕子)
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大阪会場に参加したベトナム留学生の感想
今年、日本のビーチでごみ拾いに初めて参加し、心から驚きと戸惑いがこみ上げました。細かなごみが多く、地域の美しい自然がこんなにも傷ついていることに衝撃を受けました。砂浜に広がるプラスチック片やビニール、細かなパーツまで、目に見えないところにもごみが散乱しているのを見て、環境への無関心がこんなにも大きな影響を与えているのかと考えさせられました。ごみはただのごみではなく、地球へのダメージとして現れていることに気づかされました。
 ベトナムの私の家は山の中にあり、海には観光シーズンにしか行かないので、ベトナムの海の印象はあまりありません。ビーチのごみのほとんどは観光客が捨てたビニール袋やペットボトルです。地元では1日2回ごみ拾いのスタッフも雇っています。観光シーズン以外についてはわかりません。
 ごみ拾いは単なる清掃活動でなく、地域社会への貢献としての意味合いが深いものでした。手を伸ばし、砂に埋もれた小さなごみまで取り除くことで、美しい環境を守り、これからの世代に引き継ぐべき責任を感じました。
 日常生活でも、ごみに対する意識がいっそう高まりました。小さな選択が環境への影響を変えることを理解し、積極的に取り組む必要を感じます。エコバッグの利用やプラスチック容器の再利用など、日常の細かな行動が地球への優しい贈り物となります。
 これらの経験を通じて、私は環境問題への参加の大切さを学びました。私たち一人ひとりの小さな努力が積み重なり、美しい自然を守る力になることを信じ、これからも積極的に地球に優しい生活を送りたいと思います。

グエン・ティ・フォン・チン(羽衣国際大学生、ベトナム出身)
フィリピン・ソルソゴン州で参加した日本のJAFSメンバーの感想
AFSソルソゴンの協力で短期日本語教室を開いています。当地の活動は、フィリピンの最小の行政単位バランガイの一つタブラック村で行われました。他のバランガイでもAFS主導でクリーンアップイベントが定期的に行われ、多数の参加者があります。この運動の認知度は高いです。
 小学校では分別ごみ箱が設置され、環境教育が行われています。しかし、数カ月に一度の美化運動から進んでいないのが現状です。まだまだポイ捨てなど意識が低い住民が多いです。 
 当日の現場からほんの少し離れたリゾートビーチや島は休憩所やごみ処理の有料化で清掃が行き届き、きれいな海と砂浜が広がっています。一方、観光収入の恩恵がない周辺はごみが散乱しています。下水道が完備されていないので生活排水が海や河川へ流入し、多数の野良犬や猫、スコールなどの自然現象もごみ散乱の要因です。
 特に河川は悪臭とごみの堆積で衛生面もひどいです。今回、河口を集中的に清掃したのもそのためです。町のごみ収集は予算の関係で回数が限られ、分別もほとんどされていません。バランガイ単位で行政予算が執行されるため、住民や支出優先順位の意見取りまとめが難しく、障害となっています。
 日本語教室の生徒・ロシエさんからのコメントを紹介します。
 「ごみ収集は週2回。3人で作業してますが、ごみは増える一方です。賃金と仕事量が合わず、モチベーションが上がらない。収集車が老朽化して不足し、収集日も不安定。ミンダナオ島などへの大型フェリー埠頭があり、人と車の出入りが激しく、ごみは増えるしマナーが悪い。ごみ処理は町の最大の課題です」。
 行政によるリサイクル技術導入や裏付けの予算化と執行、住民とともに3R(リデゥース・リユース・リサイクル)の強力な推進が求められます。

山下 泰之(JAFS監事)
共催・後援・協賛など
共催:「ステハジ」プロジェクト
後援:大阪府(大阪会場)、㈱OSGコーポレーション、㈱ウォーターネット
協賛:象印マホービン㈱、タイガー魔法瓶㈱、ピーコック魔法瓶工業㈱、㈱DESIGN WORKS ANCIENT、アビスパ福岡㈱、㈱a.c.c、D4L

★日本財団と環境省の「海ごみゼロウィーク活動」に参加しています。

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